皆様、こんにちは。
印刷物やデザインをこよなく愛する版下太郎と申します。
この記事を書いているのは3月末ですが、近所の公園の満開の桜もそろそろ散り始めています。やはり桜はいいですね。淡いピンク色の花々に目を奪われていると、しばしコロナのことも忘れてしまいます。ただ、この季節の風物詩である、いわゆる花見客が見られないのは、やはり寂しいものです。コロナ前とまったく同じというのは無理でしょうが、早くそれに近い日常生活が戻ってくることを祈っています。
さて、今回お話をお聞かせいただくのは、金丸哲士さんです。金丸さんは、北九州市門司区にある、海洋調査・工事のスペシャリスト「コスモ海洋(株)」でご活躍されています。
インタビュー/Interview
コスモ海洋(株)専務取締役:金丸哲士
―まずは、出身地と子どもの頃のことをお聞かせいただけますか。
生まれたのは北九州市の隣の苅田町で、北九州市門司区で育ちました。サラリーマンの父、パートの母、5歳年下の妹との4人暮らし、県営アパートで18歳まで過ごしました。
幼少期は、外で遊ぶのが苦手でした。ミニカーなどで、家の中で遊ぶのが好きでしたね。妹と歳が離れていて、一人っ子のような環境で育っていましたので、人と話すのが苦手なおとなしい子どもでした。今の私を知っている方は、全然違うと思われるかもしれませんね(笑)
小学生の時は日が暮れるまで外で遊ぶか、家でテレビゲーム、中学時代はラジオの深夜放送にはまっていました。受験勉強と言いつつ部屋にこもりラジオばかり聞いていましたね。
高校は柔道部で、大学は静岡の東海大学海洋学部に進学し、ワンダーフォーゲル部に所属しました。海で学問を学び、山で体力と心を鍛えたというわけです。
―なるほど!高校から大学でのご活躍が、今の金丸さんの強い精神力と体力の礎を築いたのですね。話は変わりますが、御社の特徴や他社にない点を教えていただけますか。
コスモ海洋は、私が高校2年生のときに父が脱サラをして作った会社です。最初は、関門海峡や近隣地域で機雷や砲弾などの危険物の探査から始めたそうです。
現在はマルチビームという音響ソナーを使って水深や海底の地形の測量を行い、海底の状況が3Dでわかる海図を作成しています。また、風力発電などの建設の事前調査として、潮流の向きや速さなどの海洋環境調査も行っています。その他に船の係留施設、災害や事故で壊れた護岸の補修、消波ブロックの製作や設置工事などの海洋土木工事も行っています。
弊社には、海の中で作業する潜水士もいますので、海の仕事は計画から調査、工事まで一貫してできるのが大きな特徴と言えます。
―計画から調査、工事までできるのは大きな強みですね。
ところで、コロナ禍で変わったことはありますか。
北は北海道、南は沖縄県石垣島まで、全国の海で工事や調査を行っていますが、基本的には屋外の作業や、船上での調査のため密になることはないので、今のところ影響はありません。また海外の仕事が入ることもあります。昨年4月にアフリカでの調査依頼がありましたが、コロナによる緊急事態宣言で渡航禁止になり、現在も保留の状態が続いています。
―金丸様が人生で大切にしていることは何でしょうか?
私が大切にしているのは、「人との出会い」、「ご縁」です。
大学卒業後、東京の企業へ就職したのですが、新卒の給料は安かったので、ターゲットになる先輩を変えて、今日は焼肉、明日は居酒屋など、毎日ご馳走になっていました(笑)ある日、いつものように会社の先輩と居酒屋で2時間半ほど酒を飲んだ後、午後9時ごろ先輩と別れて山手線に乗りました。いつもは混雑している電車ですが、その日は10分ほどすると座席が空いたので座りました。季節は冬、車内はほどよい暖かさです。ほんの少しの間のつもりで瞼を閉じ、心地よく目覚めて時計を見ると、すでに12時を指していました。1周約60分の山手線を3周していたのです(笑)これ以降、飲んだ時は電車で座席が空いても、座らないように心がけています(大笑)この会社には10年間お世話になりましたが、当時の先輩や後輩、同僚とは今でも連絡を取り合っています。
振り返ってみると私は人に恵まれていると感じます。幼稚園から社会人まで、それぞれの友達とは今でもつながっています。先日も知人から中学時代の恩師の連絡先を教えてもらったのですが、30年ぶりに電話をして、コロナが収束したら是非会いましょうと確約をとりました。同級生にもSNSで連絡し、今、同窓会の企画を考えているところです。
「人との出会い」があっても、その時のつき合いで終わることが多いと聞いています。しかし私の場合は時間の経過につれ親密度が増しているように思います。これからも人との「ご縁」は大切にしたいと思います。
―確かに人との「ご縁」は大切ですね。今後の展開はどのように考えていますか?
弊社は測量調査から探査、工事施工管理、メンテナンスを一貫してできる技術を提供する集団です。年齢層も幅広く、20代から80代の社員が在籍しており、ありがたいことに毎年1~2名の新卒者も入社しています。年長者は後世へつなぐ技術指導者として、中堅は現場をバリバリこなす専門技術者として、若手社員はスペシャリストを目指し、世代を超えて事業を継承し、全員一丸となって邁進しています。
海に囲まれた日本、まだまだ未知の事が多い海の仕事ですが、基本を忠実に時代の変化にあった確実な業務をこなしていきたいと思っています。
―ありがとうございます。最後に一言お願いします。
今回このような機会をいただき、ありがとうございました。貴社の小金丸副社長とはひびしんニューリーダー会の入会を機にご縁をいただきました。二人とも父親が代表者で、次期のトップが待ち構えています。異業種ですが、お互い有益な情報の交換を行い、心身ともに充実させて頑張り、次の世代にもつなげていきたいと思います。これからも今までの通りのおつき合いをどうぞ宜しくお願いします。
プロフィール/Profile
金丸哲士(かなまる たかし)
福岡県苅田町生まれ、北九州市門司区育ち。福岡県立大里高等学校を卒業し、地元を出て東海大学に入学。東海大学海洋学部を卒業後、沿岸海洋調査株式会社に入社。グループ会社の株式会社カイジョーソニックでの勤務を経て、32歳の時にコスモ海洋株式会社入社。現在、同社専務取締役。 本年4月よりひびしんニューリーダー会第32代会長に就任。
コスモ海洋(株)
〒801-0863 北九州市門司区栄町11-9
TEL : 093-332-2460 / FAX : 093-332-2418
URL : https://www.cosmo-ocean.jp